福島県知事選、大熊が「移動期日前投票所」 福島県内初設置へ

 

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く大熊町の選挙管理委員会が、10月28日投開票の県知事選で、投票箱を積んだワゴン車で避難先を巡回する「移動期日前投票所」を設置することが25日、分かった。田村市も同様の取り組みを検討しており、ともに県内初となる見通し。

 町選管によると、避難で住民が各地に散らばり、各投票所までの距離が負担となっていた。避難先の仮設住宅などと投票所の間を往復するバスを運行したが、片道1時間弱かかるケースもあり、改善を求める声が相次いでいた。

 ワゴン車は10月中旬、高齢者が多く住む広野町、いわき市、田村市にある計4カ所の災害公営住宅を回り、車内で期日前投票を行う。

 2010年知事選の大熊町での投票率は52.87%だったが、原発事故後の14年は44.07%と低下した。担当者は「住民の投票機会を増やしたい」と話している。

 移動期日前投票所は16年参院選で島根県浜田市の選管が全国で初めて導入し、山間部などの過疎地域を中心に採用する自治体が出てきている。