元職・佐藤氏返り咲き、一騎打ち制す 福島県議補選本宮・安達

 

 現職の急逝による県議補選本宮市・安達郡選挙区(欠員1)は30日、投票が行われ、即日開票の結果、元職の佐藤政隆氏(64)が、新人で元本宮市議の菅野健治氏(46)との無所属同士の一騎打ちを1973票差で制し、県議に返り咲いた。任期は選挙会で当選が確定する2日から前職の残任期間となる来年11月19日まで。

 同選挙区では、区割り変更で1人区になった2011(平成23)年の県議選以降、補選を含め全て無投票だったため初の選挙戦となった。

 投票率は41.85%。本宮市で56.67%、大玉村で60.23%だった17年の衆院選と比較すると、両市村で大きく下回った。当日有権者数は3万2292人(男性1万5814人、女性1万6478人)。

 実績と経験アピール

 保守系無所属同士の一騎打ちとなった選挙戦は、元職の佐藤政隆氏(64)が県議2期の実績や知名度を生かし、県政復帰を決めた。

 佐藤氏は県議現職時代に民主党籍だったが、2014(平成26)年に、本宮市長選立候補に伴い離党。今回の県議補選は自民党に党員申請を行い、認められた。自民党県連は同じく党員の菅野健治氏(46)を含め両候補の推薦を見送った。地元の南達総支部も自主投票とする方針となり、両陣営は保守系組織に依存しない選挙戦を強いられた。

 こうした中、佐藤氏は県議2期の経験と実績を強調し、地域復興のための「即戦力」をアピール。政策本位の政治を訴え、自身が理事を務める農業団体の推薦も得ながら票を積み上げた。

 菅野氏は市議時代に同じ会派だった議員などの支援を受け、若さと行動力をアピールしたが、及ばなかった。

◇県議補選開票結果(選管最終、敬称略) 
当7,621 佐藤 政隆 64 無元
 5,648 菅野 健治 46 無新