福島県知事選「18歳」初の選挙...身近に 選挙権持ち遊説に関心

 

 「18歳選挙権」が導入されて初めての知事選は13日、告示後初の週末を迎えた。休日の街頭には若者の姿も。この日で選挙戦は3日目となったが、今回新たに投票権を持った未成年有権者と選挙の「距離」はさまざまだ。

 13日午後、喜多方東高3年の田代龍美(たつみ)さん(18)はある候補者の街頭演説会を聞いた。田代さんが演説会で話を聞くのは初めての体験だ。

 「選挙の流れを知ることができたのは大きかった」と話す一方で、「仕事をしていないので政策全てを理解するのは難しい。若い人が演説を聞きに行くかどうかは難しいと思う」とも指摘した。

 田代さんは「主張の内容は少し理解できた」と、選挙への距離が縮まったと感じたが、周囲に若者の姿はほとんどなく、中高年の姿ばかりが目立つ。「若者が集まるような場所で演説があれば、若者の選挙への関心が高まるのではないか」と話した。

 友達と話した

 「選挙権を得るまでは、選挙に全く関心を持っていなかった」という磐城高3年の水野航太朗さん(18)。有権者になったことで「友達と選挙についてどうするか話すようになった」という。

 水野さんは「今は候補者の遊説や主張を聞いてみたいと思っている」と心境の変化が生まれたが、部活の大会を控えており、学校と練習に集中する毎日で、なかなか候補者の話を自分から聞きに行くことができないのが現状。「学校とか、ツイッターやSNS(会員制交流サイト)でもっと主張が聞けたら助かる」と感じている。

 投票日は部活の大会と重なるため期日前投票をするつもりだ。初めての投票で知識がないため「『投票所は決まっているのか』とか、両親に投票の仕方を聞いてみたい」と話した。

 古里の今後どう思うか

 近く未成年有権者となるいわき市の橋本菜那さん(17)と矢熊夏子さん(17)=いずれも磐城桜が丘高2年=は、選挙戦の序盤、同市で候補者の遊説を初めて聞いた。

 橋本さんは「(17歳で)まだ選挙権はないが、勉強のつもりで聞いてみた」という。「原発事故後の対応とか、いわきの今後についてどう思っているのか知れてよかった」と振り返った。