福島県内初「移動期日前投票所」 知事選で大熊町選管が開設

 
車内に設置された投票箱に1票を投じる町民

 28日投開票の知事選で、大熊町選管は16日、避難した町民が入居する広野町下北迫の復興公営住宅に投票箱を積んだワゴン車で期日前投票を受け付ける「移動期日前投票所」を県内で初めて開設した。

 東京電力福島第1原発事故の避難に伴う投票所までの町民の移動負担を軽減し、投票率向上につなげる狙い。町選管職員や立会人ら7人で訪れ、午後2時から約1時間半にわたって期日前投票を受け付けた。

 訪れた町民らは車内に設置された記載台で投票用紙に記入すると、投票箱に復興への願いを込めて1票を投じた。昨年12月に復興公営住宅に入居した女性(78)は「最寄りのいわき市の投票所まで車で1時間近くかかる。年齢とともに運転が不安になる中、移動式の投票所がなければ投票を棄権していたかもしれない」と話した。

 町選管によると、移動式期日前投票所を利用して投票したのは8人。担当者は「高齢者に喜ばれた一方、平日の日中だったため勤め人が投票するのは難しかったのかもしれない。課題や効果を検証したい」と話した。

 町選管は17、18の両日もいわき、田村両市の復興公営住宅計3カ所でワゴン車による期日前投票を受け付ける。このほか田村市選管も23日、同市の3カ所に移動式期日前投票所を設置する。