定数2削減案を提出 楢葉町議会、17年の定数割れ受け

 

 昨年の町議選で定数割れとなったことを受け、楢葉町議会の一部議員が12日に開会した12月議会に、議員定数を現行の12から10に削減する条例改正案を提出した。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故に伴う避難で加速した人口減少を見据えた対応だが現状維持を求める議員もおり、13日の最終本会議での審議の行方が注目される。

 昨年の町議選では定数12に対し立候補者が11人にとどまった。県内市町村議選で定数割れの無投票は補選を除き初の事態で地方議員のなり手不足が露呈した。

 議員定数を巡り、町議会は昨年12月に調査特別委員会を設置したが、議長を除く構成議員10人が「現状維持」と「削減」で対立してきた。現状維持派は「民意が反映されにくくなる。一度の欠員で早急に判断すべきではない」と主張。削減派は「将来的な人口を考え削減すべき」と指摘した。

 11月の特別委では委員長を除いた委員9人による採決が行われ、一度は現状維持の意見を本会議に提出することが決まった。しかし、12日の本会議で特別委の意見を認めるかどうかを議長を除く議員10人で採決した結果、賛成と反対が各5人と割れ、判断を求められた議長も意見を認めず、結論は条例改正案の成否に委ねられた。

 条例改正案を提出し、特別委の委員長も務めた結城政重議員は「特別委の採決には加われず、私の意見は反映されていない。町内に5割の住民しか戻っていない中、定数は削減すべきだ」としている。