「不信の連鎖」編へ識者の意見【番外編 上】徐銓軼氏・福島県国際交流員

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徐銓軼氏

 ◆徐 銓軼氏(じょ せんい)(中国からの訪問団に対応)

 地道な風評対策重要

 原発事故に起因する中国での風評被害は、3段階に分けて説明できると思う。

 まず〈1〉事故発生当時の福島の危険なイメージが今も続いているという問題。次に〈2〉インターネットなどで福島に対する負の報道ばかり選ぶようになり、「福島は危険」と決め付けてしまう段階。さらに〈3〉「官製報道」が一般的な中国の人の中には、福島が復興へ進んでいるという前向きな報道も「官製報道」と受け止め、「裏に何かあるのでは」という不信感を抱く人がおり、県がいくら情報発信してもかえって逆効果になってしまうという事情がある。

 こうしたことが「負のスパイラル」となっている。風評の払拭(ふっしょく)には、県内に住んでいる中国人から本国の身内に向けて福島の本来の姿を発信してもらうとか、県内への視察を受け入れることなどが効果的で、地道に取り組んでいくしかない。

 韓国で2月に開催予定だった復興や東北の魅力をPRするイベントが中止になったことは、5年が経過した今もこうしたことが起こってしまうのかという印象だ。「自分こそ福島の現状を知っている」と信じ込んでしまった人の存在が影響しているのだろう。

 (2016年4月14日付掲載)