「復興バブル後」編へ識者の意見【番外編 下】初沢敏生氏・福島大うつくしまふくしま未来支援センター長

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初沢敏生氏

 ◆初沢 敏生氏(地域経済を調査研究)

 優秀な労働者育成を

 5年間の復興バブルの影響は、細かく見ると業種や会社間で大きく異なり、まだら模様を描いている。

 南相馬市の産業を継続調査しているが、復興バブルの影響が最も大きい建設業でさえ、ものすごく伸びた会社と、下請け構造の中で利益がうまく上げられないなどの理由で恩恵が限られる会社とに極端に分かれる。復興バブル後、厳しい状況に置かれるのは後者だ。この「二極化」傾向は、双葉郡の町村でも同様に見られる。

 復興バブル後を見据え、南相馬市などには新しい産業が必要で、そのためには人材育成が最も重要だ。相双地方には短大以上の高等教育機関が必要だと思うが、実現には時間がかかる。短期的には、例えば地元製造業がそれぞれの技術を学び合う研修会を開催するなど、地域全体の労働力のレベルを上げる取り組みなどが有効。若くて優秀な労働者は全国各地で取り合いとなっており、こうした競争の中で外から人材を呼び込むのは難しい。自前で育成するしかない。

 今後、賠償金が打ち切られれば、それに頼っていた企業は存在できなくなる。賠償が続いているうちに手を打ち、新しい方向性を定める必要がある。

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