「復興バブル後」編へ識者の意見【番外編 下】鈴木武男氏・福島県建設業協会専務理事
◆鈴木 武男氏(公共事業に詳しい)
新たな事業、次の一手
県内の建設業は「ポスト復興」を考えるべき時期にきている。業界内には、巨額の復興予算に裏付けられた公共事業が終了した後に仕事が減るのを心配する声があるが、業界が担うべき仕事は、むしろ今後増えると指摘したい。
米国では1930年代のニューディール政策を機にインフラ整備が大規模に進められた。その後、80年代に橋などインフラの老朽化が社会問題化した。戦後の高度経済成長期にインフラ整備が進んだ日本では今後、米国で80年代に深刻化した老朽化問題に直面することになる。日本は自然災害も多い。熊本地震の被災状況を見ても分かるように、特に上下水道の改修は待ったなしだ。
インフラを丈夫なものに造り替えるという需要は今後ますます高まっていくだろう。
こうした事業に必要な財源確保に向けては、国民的議論が必要になる。
この5年間、建設業界は復旧・復興工事にしっかり取り組んできた。巨大事業が続いたことで今、業界の一部には「満腹感」も漂うが、「ポスト復興」の時期に求められる新しい公共事業に対応できるよう、業界として次の一手を考える必要がある。
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