桜に託す仮設校舎の思い出 原発事故避難・大熊中生が植樹

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思い出の目印となる桜の記念植樹

 原発事故の影響で避難し、福島県会津若松市の仮設校舎で授業を続けている大熊町の大熊中の3年生8人は6日までに、仮設校舎近くの会津大短期大学部テニスコート脇に大切な思い出の目印となる桜の木を植樹した。

 今春卒業の3年生は3年間、仮設校舎で学んできた。卒業後は進学で県内外に分散するが、仮設校舎がいつまで継続されるかは不透明のため、訪れた際に仮設校舎で学んだことを思い出す目印とするため昨年に続き植樹した。

 仮設校舎には体育施設がないため、生徒らは会津大短期大学部のグラウンドや体育館などを借りて授業している。また大学講師の授業への派遣など多くの支援も受けていることから、感謝を伝える意味も込めた。

 植樹は同短期大学部の敷地内に行われ、小野田敏之校長が植樹までの経過を紹介した後、岡嶐一会津大学長が「古里の象徴として長く見守ってください」とあいさつ。学級委員長の女子生徒は「温かい支援をいただき3年間不自由なく学習できました。今後も勉強や運動に励みます」と決意を披露した。

 小野田校長、岡学長、生徒代表が木の根元に土をかけ、成長を願った。昨年植樹した桜は、その春に美しい花を咲かせたという。