復興拠点に1600人居住 福島・富岡、27年度人口目標

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 福島県富岡町は10日の町議会全員協議会で、原発事故による帰還困難区域で除染とインフラ整備を一体的に行う特定復興再生拠点(復興拠点)について、2022年度までに避難指示が解除されてから5年後(27年度)の居住人口を約1600人とする目標を示した。

 同時期には約50事業所、営農者約10世帯が活動することも目指す。

 復興拠点の面積は約390ヘクタール。範囲は蛇谷須地区を除く大菅行政区、夜の森駅前北行政区、夜の森駅前南行政区、新夜ノ森行政区が含まれる。できる限り行政区が分割されないように配慮したが、国道6号の東側では新夜ノ森、深谷両行政区の一部が範囲から外れる見通しだ。

 立ち入りを制限するバリケードの設置場所も考えて設定する。

 双葉地方森林組合の事務所は、森林再生に向けて機能の早期回復が必要として局地的に除染する方向で環境省などと調整する。

 JR夜ノ森駅周辺の一部地域に関し、町はJR常磐線の全線再開が計画される20年3月にも、避難指示の先行解除を目指す方針を明らかにする一方で「帰還困難区域をさらに線引きすることになり、住民感情を踏まえて慎重に議論していきたい」との見解も示した。

◆21日に住民説明会

 町は21日、いわき、郡山両市で住民説明会を開く。意見を踏まえて2月上旬に再度、町議会に説明する。復興拠点を定める計画を2月中に申請し、3月までに国の認定を得たい意向だ。