東電・福島復興本社、双葉へ移転 20年めど「復興産業拠点」に

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 東京電力福島第1原発事故後、富岡町を拠点に復興支援業務に当たっている東電の福島復興本社が、2020年をめどに双葉町中野地区に移転する。

 29日の定例記者会見で大倉誠福島復興本社代表が明らかにし「復興の最前線で福島への責任を果たす」と語った。

 双葉町は面積の約96%が帰還困難区域で、22年春に一部の避難指示解除を目指している。

 新たな復興本社は、4%に当たる避難指示解除準備区域に整備される「復興産業拠点」内に置く。町は同区域の避難指示を20年3月末までに解除する計画で、事故後の町への企業進出は初めてとなる。

 富岡町にある機能は一部残す方針で、移転先について大倉氏は「双葉町が整備する建物に間借りさせていただきたい」としている。復興本社には現在約70人が勤務しているが、移転先に配置する人数などは未定。

 移転を巡っては、産業拠点が福島第1原発から北西約4キロの位置にあり、廃炉作業にも取り組みやすいことなどから、町が15年度から東電に要望していた。

 産業拠点には、県のアーカイブ拠点施設(震災記録施設)や、町民の交流施設となる産業交流センターが建つほか、廃炉関係の研究施設や一般企業の進出も見込まれている。

 町は18年度中に一部区域でインフラの整備を完了させ、企業への分譲を始める予定。

 復興本社は13年1月に設置され、16年3月に現在の富岡町に移転した。