解体本格化で仮設店舗棟に別れ いわきの「浜風商店街」

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解体が進む浜風商店街の仮設店舗に別れを告げた店主ら

 東日本大震災の津波などで被災したいわき市久之浜町の事業者の復興を支えた「浜風商店街」の仮設店舗棟の解体が本格化している。商店街に出店していた店主らが4日、仮設店舗棟が設けられていた久之浜一小校庭を訪れ、復興を共に歩んだ愛着ある商店街に別れを告げた。

 店主ら解体見学「当時思い出す」

 同市久之浜・大久支所が同店舗棟の最後を映像で記録に残したいと店主らの参加を募った。約10人が訪れ、店舗を仕切る壁などが取り払われた店舗棟の解体状況を見て回ったほか、記念撮影をするなどして思い思いに最後の時を過ごした。

 同支所が依頼した同市の映像制作会社のスタッフが、店主らの見学の様子を撮影した。

 震災後から5年半、同商店街で営業していた飲食店「からすや食堂」の遠藤義康さん(59)は「久々に来たが、思った以上に解体が進んでいて、建設当時のことを思い出していた」と振り返り、「浜風商店街があったから今がある」と感謝した。妻貴美さん(57)も「みんなに支えられ、多くの人との出会いを生んでくれた場所。前向きになる力をもらった」と思いを話した。

 店舗解体工事は3月中旬に完了する予定。解体後は舗装して同校に返却するという。撮影した映像は地域の記録として支所で管理し、今後は地域のイベントなどでの上映を検討している。