地域復興や環境修復取り組み報告 福島大環境放射能研究所

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パネリストを務めた(左から)ヒントン氏、コノプリョフ氏、鄭氏

 福島大環境放射能研究所は6日、福島市で第4回成果報告会「原発事故7年後の福島の復興と科学的課題~これまでとこれから」を開き、来場者が東京電力福島第1原発事故後の地域の復興や課題に理解を深めた。

 約200人が参加した。基調講演ではチェルノブイリ原発事故後に周辺の生態系調査を行ったウクライナ環境・天然資源省立入禁止区域管理庁副長官のオレグ・ナスビット氏が登壇。

 その後、高村昇長崎大教授やトーマス・ヒントン福島大環境放射能研究所教授ら研究者が原発事故後の地域の復興と課題、生態系への影響や環境修復への取り組みについて報告した。

 本県沿岸漁業の復興状況について発表した同研究所の和田敏裕准教授は「本県沿岸の魚の放射性セシウム濃度は時間の経過による減衰や海水魚の浸透圧調整による排出などの理由で低下している」と述べた。

 一方で販路の再構築や風評被害対策などの課題が残ると指摘し「科学的な根拠に基づいた試験操業の拡大で復興を加速させたい」と話した。

 同研究所の塚田祥文教授が司会を務め、ヒントン教授と同研究所のアレクセイ・コノプリョフ教授、放射線医学総合研究所の鄭建上席研究員が過去から何を学び、どう生かすかをテーマにパネル討論を行った。