東北電力・大熊変電所6月再開へ 被災地で全復旧、電力安定図る 

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運転再開が決まった大熊変電所(東北電力提供)

 東北電力福島支店は29日、原発事故の影響で休止していた大熊町夫沢の大熊変電所の運転を6月下旬にも再開すると発表した。

 県内の除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の安定稼働や復興拠点の整備を、電力の安定供給の面から支えたい考え。これにより、震災と原発事故後に運転を休止した東北電力の変電所は全て再開することになる。    大熊変電所は原発事故に伴う放射線量の上昇や、避難に伴い電力需要が大幅に減少したことなどから、復旧作業は行わず休止状態となっていた。

 東北電力は、運転再開によりこれまで以上に安定して電気を送ることができるとしている。

 震災の地震と津波で、青森、岩手、宮城、福島の4県で延べ75カ所の変電所が被災した。その後、大熊以外は復旧した。

 大熊変電所は、第1原発が立地する大熊町と双葉町を中心に供給する。最大で約4万キロワット、概算で1万3千世帯への送電ができる。これまでは、浪江町と富岡町にある2カ所の変電所から送電していた。

 県庁で記者会見した東北電力の林隆寿執行役員福島支店長は「地元の顧客に安心して電気を使ってもらえるようにすることが使命。複数の電力供給拠点を設ければ、安定的に電力が供給できる」と述べた。