人間性高める教育を 大熊町教育長退任・武内さん、ふたば未来学園開校に尽力

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「大人の責任として、子どもたちに質の高い教育を」と話す武内さん

 大熊町教育長を4期16年務めた武内敏英さん(74)が9月末で退任した。武内さんは東京電力福島第1原発事故後、会津若松市での町立小、中学校の再開などを主導。中高一貫校「ふたば未来学園」の開校にも大きく関わった。

 「原発に関わりがない子どもたちが町から追われ、友人とも離れ離れになってしまった。大人の責任として質の高い教育をしていかなくてはならない」。事故直後に考えたことが、これまで武内さんを突き動かしてきた。

 2011(平成23)年4月に再開した町立の幼稚園、小、中学校には約700人の子どもたちの姿があった。

 「保護者の仕事の都合などで児童・生徒は約30人まで減少している。だが当時は、早期に再開した学校を頼りに、事故前の半数程度の子どもたちが戻ってくれた。大混乱の中、学校はみんながほっとできる場所になった」と振り返る。

◆双葉郡の子どもたちをこれからも見守る

 今年3月まで双葉地区教育長会長として双葉郡の教育振興に向けた取り組みをリードし、15年のふたば未来学園高の開校につなげた。「双葉の教育を変えなくてはならないと思った。知識を詰め込む教育ではなく、人間性を高める教育が大事」と強調する。

 来春、ふたば未来学園中も開校し、中高一貫校としての体制が整う。「高校入試がなくなり、目先の学力を追い求める必要はなくなる。入試というハードルが取り払われることで、しっかりとした人材を育てるという高い目標が見えてくるはずだ」と期待する。

 武内さんは今後、南相馬市に引っ越し、新たな生活を始める。「大熊、双葉郡の子どもたちは大変な中、本当によく頑張っている。これからも見守っていきたい」と誓った。

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