商工業者34%休業中 原発事故の避難区域、県商工会連合会が調査

 

 県商工会連合会は4日、東京電力福島第1原発事故による避難区域の商工業者のうち、昨年9月時点で約34%が事業を再開できず休業中との調査結果を発表した。このうち約52%が廃業を検討しており、連合会は「事故から8年が経過し、再開意欲が失われている」と懸念している。

 事業を再開できない理由は、商業エリアを失ったことや、利益確保の見通しが立たないこと、なじみ客の減少などが挙げられている。

 避難指示の解除が進み、地元で再開する業者が増えたため、休業率は約48%だった2016年9月の前回調査と比べて改善している。

 一方で全町避難が続く双葉町や大熊町など、第1原発周辺の4町は約43~55%と他の市町村より高くなっている。

 再開した業者の約71%が事故前と比べて営業利益が減ったと回答。連合会の担当者は「避難先では他企業との競争があり、地元に戻った場合は顧客となる住民が少ない。個々の事情に合わせた支援が必要だ」と訴えた。

 調査は昨年9月、12市町村の2112業者に実施し、866業者から回答を得た。