復興拠点農地で緑肥作物栽培へ 大熊町が新年度、営農再開に備え

 

 大熊町は新年度、帰還困難区域に整備する特定復興再生拠点区域(復興拠点)の農地で、土壌を肥沃(ひよく)にするための緑肥作物の試験栽培を始める。除染で表土が削り取られ、肥沃度が低下した農地を土壌改良し、本格的な営農再開に備える。

 町によると、復興拠点内の農地での作物栽培は事故後初めて。

 県道いわき浪江線(山麓線)沿いの農地で、ヘアリーベッチ、クローバーなどのマメ科作物の栽培を検討している。作物に含まれる窒素による土地肥沃化の効果を確認した上で除染が終了したほかの農地でも緑肥作物を栽培する。

 2022年春までの避難指示解除が見込まれる復興拠点で、町は20年度にもメタンガスの原料となるイネ科のエネルギー作物の大規模栽培を行う予定。22年度には水稲や野菜の実証栽培も計画している。