汚染水問題"最大の壁" 廃炉作業の前に立ちはだかる

 
汚染水問題

大量の汚染水が漏れた地上タンクのあるタンク群=8月23日(原子力規制庁提供)

 廃炉作業の前に立ちはだかる目下最大の壁は汚染水問題だ。300トンの高濃度汚染水が地上タンクから漏れて県民を不安にさせ、漁業者を失望させた問題の元凶は、溶け落ちた核燃料を水で冷やし続けるシステムにある。

 山側からは毎日800〜1000トンの地下水が流れ、このうち400トンが建屋に入って汚染水と化す。建屋をよけた地下水も護岸近くにたまった高濃度汚染水と混じって海へ流出したとみられ、対策は待ったなしだ。

 東電だけでは対応できないという認識が急速に広がり、遅ればせながら「前面に出る」と宣言した安倍政権と政府。その政府と県民不安のはざまで存在意義を問われている県も含め、県民からは厳しい視線が注がれている。