武内敏英氏に聞く 双葉地区教育長会長、大熊町教育長

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武内敏英氏に聞く 双葉地区教育長会長、大熊町教育長

「高い魅力を持った中高一貫校の設置を目指す」と話す武内教育長

 双葉郡内の教育長らでつくる「双葉郡教育復興に関する協議会」は、7月にまとめた「教育復興ビジョン」に中高一貫校の郡内設置を盛り込み、各地で避難生活を送る双葉郡の子どもたちが再び故郷で学べる環境整備を目指す。双葉地区教育長会長の武内敏英大熊町教育長に中高一貫校設置を進める理由を聞いた。

 --協議会発足の経緯は。

 「双葉郡の町村は避難先で学校の再開に努力してきた。7町村がこれまで学校を再開したが、思ったほど子どもたちが戻らない現実に直面した。中学校は各校とも生徒の1割しか戻っておらず、9割はいわき市など郡外の学校にお世話になっている。各町村で質の高い教育を継続することを前提に、双葉郡として次の一手を考えることにした」

 --なぜ中高一貫校を選択したのか。

 「今の教育では(国境を越えて世界的に広がる)グローバル化に対応するため思考力、判断力、表現力を養う必要がある。しかし、既存の学校のシステムは知識の詰め込みで、学力を記憶の量で測ってしまいがちだ。中学入学と同時に高校入試、高校入学と同時に大学入試を意識しなければならない。高校入試のない中高一貫になれば6年先を見通し、時間をかけてじっくりと判断力などを養い、思春期の人格形成ができる。そのためにも設置形態は会津学鳳中・高のような『併設型』が望ましい」

 --中学校と高校を優先させる理由は。

 「中高一貫ばかり注目されるが、双葉郡として幼稚園、小学校、中学校、高校まで準備しようというのが基本的な考えだ。まずは中学校と高校を優先させて2015(平成27)年度の開校を目指すが、その背景には、震災時に小学生だった子どもたちが入学できるようにしたいという思いがある。15年度開校を考えると開校時は既存の教育施設を使うことになる。教育施設を提供できることが設置場所の条件になるだろう」

 --教育内容の魅力だけで子どもたちを戻せるか。

 「社会教育施設を併設したり、ふるさと学習、世代間交流、温泉などさまざまな施設を併設し、学校をコミュニティーの核にしたい。保護者の雇用も総合的に考えていかなければならない。学校を立ち上げても、親の働く場がなければ子どももいない。各町村長と連携が必要だし、企業やNPOから奨学金の面などで協力を得たい」