「土壌環境」回復不可避 農地除染進まず、仮置き場確保を

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「土壌環境」回復不可避 農地除染進まず、仮置き場確保を

農地から放射性物質を減らし、農作物の吸収抑制を図るために行われる除染作業

 本県農業再生への道のりには、放射性物質で汚染された土壌の環境回復が避けては通れない。安全で安心な大地の恵みを取り戻すには、依然として農地の除染が行く手に立ちふさがる。

 避難区域を対象に国が除染する特別地域では、唯一作業が完了した田村市都路町を除き、農地の除染は進んでいないのが現状だ。環境省によると、水田や畑地、果樹地、牧草地を含む農地の除染の進捗(しんちょく)率は、楢葉町で54%と半分を超えたものの、宅地の除染作業を先に終えた川内村は0.2%、一部地域で始まった飯舘村は0.2%、葛尾村は0.1%にとどまっている。

 県によると、市町村が除染する地域でも農地の除染は7月末時点で2万2996ヘクタールの計画に対し、これまでに完了したのは1万7979ヘクタールで、実施率は78.2%。表土を剥ぎ取ると大量の汚染土壌が出るため、面積の広い仮置き場の確保が課題となっている。

 避難区域などで営農を再開しても生産した農作物が出荷できるようになるには放射性セシウムの検出値を食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下に抑え込む対策の徹底が求められる。 農作物が放射性セシウムを吸収するのを抑える有効策として、国や県が実証研究で導き出したのはカリウム肥料を農地に与え、土壌中に含まれる十分なカリウムの量を確保することだ。特に基幹作物のコメは、稲の発育初期でカリウム肥料を田んぼにまいておくことでコメの放射性セシウム濃度を減らす効果があると解明された。

 このため県は、生産現場でカリウム肥料の施肥を促進することを重視。営農再開支援事業に盛り込み、カリウム肥料の費用について市町村を財政支援し、営農再開を後押ししている。