除染後も「高線量」が残る 震災前の資材が上昇の要因に

 
除染後も「高線量」が残る 震災前の資材が上昇の要因に

 国直轄による常磐道の除染は9月末に完了した。本年度中の再開通を目指す広野−常磐富岡IC間は、目標とした空間線量がおおむね毎時3.8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルト相当)以下にまで低減する効果があった。

 区間内で線量を測定した124カ所のうち、1カ所で毎時3.9マイクロシーベルトと目標値よりやや高かったが、環境省は「工事再開後の路面整備や舗装の効果で線量は十分に下回る」としている。

 一方、福島第1原発が立地する大熊、双葉両町をはじめ比較的高線量の地域を含む常磐富岡−南相馬IC間(延長32キロ)の除染では、年間20〜50ミリシーベルトと推定される区間の車道は平均で除染前の毎時4.5マイクロシーベルトから同3マイクロシーベルトに下がった。しかし線量を測った506カ所のうち、除染後も毎時11.3マイクロシーベルトが測定されるなど、目標値まで下がらなかった場所が97カ所残った。年間50ミリシーベルトを超えると推定される区間では除染後、最大で毎時24.6マイクロシーベルト、平均でも同11.4マイクロシーベルトとなり、目標をクリアできなかった。

 目標値まで低減できなかった地点近くには震災前の道路工事で使っていた建設資材などが置かれ、表面の汚染で線量を局所的に上昇させる要因となっている。