【放射性廃棄物】 "復興加速化"へ「仮設焼却炉」受け入れ

 
【放射性廃棄物】 

飯舘村の仮設焼却炉の建設予定地=飯舘村蕨平

 飯舘村は、原発事故による放射性物質に汚染された廃棄物を燃やして量を減らす仮設焼却炉の設置を、村内の居住制限区域の蕨平地区で受け入れる。村民の避難先を中心に周辺6市町の廃棄物処理も一部担う。市町村域を越えて放射性廃棄物を受け入れるのは初めてで、県内の復興加速化に期待が高まる。

 仮設焼却炉の処理能力は1日240トン。本年度中に着工、来年度末をめどに運転を開始する。村内の家庭ごみや除染に絡む廃材など計約14万トン、除染で出た汚染土壌500トンを処理する。ほかに福島、相馬、南相馬、伊達、国見、川俣の6市町の稲わらなど約5万トン、福島、南相馬、国見3市町の下水汚泥約2万トンを受け入れる。特に、搬出先がなく施設内にたまり続ける下水汚泥の解消が期待される。

 受け入れは、村と国が減容化施設の必要性を議論したことがきっかけ。施設を受け入れる蕨平地区でも当初、反対の声が上がったが「復興の加速化に向けて協力すべきだ」との考えで住民の意見が大筋でまとまり、施設の設置が決まった。

 開設は運転開始から3年間だが、状況により最長2年間の延長を検討する。焼却灰や汚染土壌から放射性物質を取り除き、工事資材などを作る実証施設も併設される。