いわき市漁協・矢吹組合長に聞く 漁獲物の安全管理徹底

 

 いわき沖の試験操業は昨年10月の沖合での底引き網漁に続き、3月にも沿岸の船引き網、刺し網による操業が開始される。いわき市漁協の矢吹正一組合長(76)にいわき沖試験操業の現状などを聞いた。

 --試験操業がいわき沖で始まって半年になる。

 「試験操業は昨年10月、いわき沖合で底引き網漁から始めた。当初は受け入れられるか不安もあったが、市場の反応も上々だ。一歩を踏み出せて良かった。放射性物質の検査体制や情報公開を万全にしながら、漁を積み重ねることで消費者にアピールしていきたい」

 --沿岸でも始まるが。

 「沿岸の試験操業に参加する隻数は、底引き網漁の約4倍になる。関わる人が増えることで、漁業者にも明るい雰囲気ができつつある。コウナゴは販売を大津港水産加工業協同組合(茨城)に依頼する。連携を密にしていきたい」

 --これからの課題は。

 「現在行っている試験操業では、まだまだ漁獲量が少ない。今後、魚種や海域を拡大していくに当たり、漁獲物の検査で安全管理をしっかりと進めながら、出荷までの時間をスピードアップさせることも必要だ」