除染、インフラ復旧推進 12年結成の双葉郡復興事業協組

 
除染、インフラ復旧推進 12年結成の双葉郡復興事業協組

復興に向け作業を進める組合加盟企業の作業員ら

 双葉郡の建設業など8社でつくる双葉郡復興事業協同組合(西山由美子理事長)は2012(平成24)年9月11日に設立、加盟する各企業が古里再生に向けて除染やインフラ復旧などの事業に取り組んでいる。

 加盟企業のうち、青田興業は地元・大熊町や広野町で除染などの事業を着々と進めている。青田叶社長は「古里で育てられた企業として地元に貢献したい」と話し、被災地復興に携わる。

 除染の仕事が増える中、県内だけでなく県外からも作業員を雇用する。青田社長は「これから東京五輪の関連工事などが増え、福島の復興のために働こうと思ってくれる人が少なくなる可能性がある。そうならないよう作業員が働きやすい環境をつくりたい」と考える。さらに除染を効果的・効率的に進めるために社員教育にも力を入れる。青田社長は「今後は業者や作業員の技術力がさらに求められていく。社員の技術向上は大切だ」と話す。

 同組合の現在の仕事は除染が中心だが、その後の各町村の復興のために被災建築物の解体や、損壊家屋のリフォーム、上下水道の修理なども事業に掲げる。組合の活動はスタートしたばかりでまだ手探りだが、西山理事長は「地元の企業だからこそ、古里のためにできること、しなければならないことがあるはず」と力を込める。

 遠藤郁夫専務理事は岩手、宮城両県など他の被災地と比べ、双葉郡の復旧・復興は遅れていると感じている。除染などの仕事もいつまであるかは不透明で、加盟企業の経営も安泰とはいえない。それでも遠藤専務理事は「住民が帰還できるよう地元業者が誠心誠意頑張りたい」と全力を傾ける考えだ。