子ども支援法「恩恵ない」 準対象地域、住民の訴え届かず

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32市町村で3万5183人に減少

 郡山市から自主避難し会津若松市で子どもと2人で暮らす女性(39)は、避難者を援助する子ども・被災者支援法が成立しても「支援がない。(成立前と)何も変わらない」と語る。待っていても支援は受けられないと、新聞に目を通しインターネットを検索するが、自分や会津若松市で生活する同じ境遇の人たちが享受できる支援策は見えてこない。

 金銭的な問題などから自主避難を続けられず、仕方なしに自宅に戻る人が出ている。しかし戻っても「金があったから逃げたのだろう」などのいわれのない中傷を受けると思い、戻ることもためらわれる状況も出ていると話す。女性は「高速料金の無料化措置を見てもそうだが、避難者が区別され、その結果、分断が生まれている。一律の支援が欲しい」とする。

 この女性をはじめ同市で暮らす自主避難者を支援する「会津放射能情報センター」。寄付金を元に放射性物質検査や健康相談会開催などに取り組んでいる。同センターも女性と同様に同法ができても支援がないと説明する。それは「(同法で)会津若松市が準支援対象地域に指定されているからだ」と強調する。「準支援対象地域では住民が声を上げないと(行政に)動いてもらえない。しかし、その住民の声も聞いてもらえていない」。避難者の声を吸い上げる国、県など行政の姿勢、仕組みを望んでいる。

 

 32市町村で3万5183人に減少

 本県の避難区域外から自主的に避難する自主避難者は今年1月現在の福島民友新聞社の調べで、32市町村で3万5183人に上る。ただ、この3年間の1年ごとの集計で自主避難者は、原発事故から1年後の2012(平成24)年3月の4万3123人をピークに減少傾向にあり、今年1月の避難者数は13年3月から5190人減少した。

 市町村別では、原発事故に伴う全ての避難区域などが設定された南相馬市が9001人で最も多い。次いでいわき市の7371人、福島市の5677人、郡山市5388人で5000人を超えている。自主避難者数は、本人からの申告などで把握するしかない。実数を把握できない市町村も多く、実際にはさらに多い可能性が高い。

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