「農地除染実施率」は8割超 表土剥ぎ取り、反転耕が主流

 
「農地除染実施率」は8割超 表土剥ぎ取り、反転耕が主流

 原発事故で飛散した放射性物質で汚された農地の回復は、本県農業の再生に欠かせない。

 市町村が除染する地域では、1月末時点で農地除染の進捗(しんちょく)率は2万3625ヘクタールの計画に対し、除染が進んだのは1万9759ヘクタールで、実施率は83.6%とようやく8割を超えた。

 計画面積が最も広い水田は、21市町村が計画した1万3115ヘクタールのうち、77.3%の1万140ヘクタールで除染が済んだ。ほかの実施率をみると、樹園地は17市町村で99.7%、牧草地は18市町村で89%、畑地は14市町村で78.8%となった。

 農地除染の手法は表土を剥ぎ取ったり、地表から浅い部分と深い部分の土を入れ替える反転耕、通常より深く耕す深耕が主流とされる。また研究の結果、塩化カリウム肥料を施肥することで、コメなどの作物が放射性セシウムの吸収を抑える効果が解明され、生産現場で普及が進みつつある。