病院の「常勤医」緩やか回復 地域差や診療科の偏在課題

 
病院の「常勤医」緩やか回復 地域差や診療科の偏在課題

 県内135の病院で働く常勤医は、県の統計で震災直前の2011(平成23)年3月1日時点では2019人だったが、震災から約5カ月後の同8月1日時点では46人減少した。

 原発事故の影響から人材流出が進み、翌12年8月1日時点で震災前から80人減の1939人に落ち込み、減少は底を打った。

 その後は、県などの取り組みで復調の兆しを見せ、13年12月1日時点で1990人と震災前より29人減に回復した。ただ、医師の勤務状況では地域差や診療科の偏在が課題として残る。

 特に7病院が休止している相双地域では、震災前の120人から一時は60人に半減した。緩やかに戻り始めているが、13年12月1日時点でも77人で、震災前の64%の水準にとどまる。

 県は主な対策として福島医大の寄付講座やドクターバンクを活用して医師を迎えたほか、医療機関による人材確保活動も支援。福島医大を卒業した学生の県内定着にも力を入れている。