川内、飯舘で年間1ミリシーベルト超 被ばく線量の推計値

 

 政府は4月、田村市都路地区、川内村、飯舘村の3市村について、行動パターンごとの住民の追加被ばく線量を推計した。このうち4月1日に避難指示が解除された田村市都路地区では、屋内にいる時間が長い場合、除染の長期目標の年間1ミリシーベルトを下回ったものの、屋外で働く時間が長い農業は年間1ミリシーベルトを上回る想定もあり、林業は最も高い年間2.3ミリシーベルトと推計された。

 川内、飯舘の両村では自宅や学校に滞在する時間が長い無職の高齢者や教職員を含め、全ての行動パターンで年間1ミリシーベルトを超えるという試算になった。川内村では農業が年間1.3〜3.5ミリシーベルト、林業は同4.8〜5.5ミリシーベルト。飯舘村では農業が同7.1〜16.8ミリシーベルト、林業は同8.8〜17ミリシーベルトと高い数値が並ぶ。

 推計値には昨年9月以降に行った除染結果は加味されていない。しかし、農林業を基幹産業とする地域では、除染で農地や森林の空間線量をどこまで低減できるかが住民帰還に向けた鍵を握る。