【凍土遮水壁】 早くも実現性"疑う声"接続部凍結計画難航

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【凍土遮水壁】 早くも実現性

 東京電力福島第1原発の汚染水対策で、地中を凍らせて建屋への地下水流入を止める「凍土遮水壁」が6月2日に着工して1カ月余りが経過した。しかし、早くも実現性を疑う声が出始めている。凍土壁と同じ凍結技術を使い、建屋とトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)の接続部を凍らせる計画が難航しているためだ。

 凍土壁は1〜4号機の周囲1.5キロに1550本の凍結管を埋設し、冷却剤を循環させて地下約30メートルまでを凍らせる計画。完成すれば、汚染水を生み続ける原因の建屋への地下水流入量を「理論上はゼロにできる」(東電)汚染水の抜本対策だ。凍結管を埋設するための掘削作業が続いており、6月末までに55本分の掘削が終了した。

 一方、東電は凍土壁の着工に先立ち、4月から建屋とトレンチの接続部の凍結作業に着手。建屋にたまった高濃度汚染水の海への流出を防ぐ狙いで、接続部に凍結管と冷却剤を入れた袋を並べたが2カ月以上たっても十分に凍っていない。東電は「水の流れがあるため、袋の周囲で水の温度が下がりきらない」と説明。凍結管を2本追加し、水の流れを抑える対策も取ったが、効果は見えない。

 凍土壁は前例がないほど広範囲を凍らせるため、実現性を懸念する声が相次いでいる。

 県幹部も「320億円に上る国費を投入するのに、効果が挙がらなければ世論が許さない」と指摘するが、東電は「土を凍らせるので工法が異なる」と反論する。