入居者数2万人超"4度目の秋" 長引く避難、募るストレス

 
入居者数2万人超

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い、県内外で避難生活を送る12万人を超える人たち。このうち約8万人は県内の仮設住宅や借り上げ住宅で暮らしている。仮設住宅の入居者数は2012(平成24)年7月の約3万3000人をピークに減少傾向にあるが、今もなお約2万6500人が仮設暮らしを余儀なくされている。入居期間は16年3月まで1年間延長されたが、その先は不透明だ。住宅の老朽化とともに高齢者が大半を占めるようになる中、入居者の生活をどう支援していくかが課題となっている。

 県によると、原発事故と津波、地震の避難住民向けに建設された仮設住宅は7月末現在、撤去された18戸を除き、1万6782戸。このうち1万3087戸に2万6486人が入居している。仮設住宅の入居期間は原則2年だが、多くの入居者は4度目の秋を迎えている。

 入居期間は3度の延長を経て、現在は16年3月末までとなっている。津波や地震による被災者向けの災害公営住宅は、被害発生直後から建設の必要性が判明していたため、整備が進んでいるが、原発事故による避難住民向けの復興公営住宅の全戸完成は17年3月を目標としている。入居を希望する避難住民が仮設住宅を退去できるようにするためには、入居期限をさらに1年間、延長するのが避けられない状況だ。

 しかし、仮設住宅は一時的な避難が目的のため、一戸当たりの専有面積は、避難前の住居と比べて手狭となるケースがほとんど。隣の世帯との間も壁一枚を隔てるのみで、避難住民のストレスの一因になっているとの指摘もある。

 県や避難住民を抱える市町村は、エアコンの増設や断熱材の追加など住環境の改善に取り組んでいるが、入居者にとっては避難生活の継続にほかならず、不満が募りがちになるのが現状だ。