新開文雄弁護士に聞く 関連死認定基準つくり独自対応を

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新開文雄弁護士に聞く 関連死認定基準つくり独自対応を

「震災関連死の明確な基準をつくるべき」と話す新開弁護士

 震災関連死をめぐる訴訟や制度に詳しい県弁護士会の新開文雄弁護士(62)=福島市=に、関連死認定の現状や課題を聞いた。

 --関連死認定の本県の現状は。

 「新潟県中越地震の際につくられ、災害発生から6カ月が過ぎると原則、関連死と認められない『長岡基準』が参考にされているが、明確な認定基準がないのが現状だ。加えて各市町村が設置した審査委員会の意見が重視され、認定にばらつきがある。どういった人が審査委員を務め、どういった根拠に基づいて判断したのかが分からない。これでは不認定とされた遺族は納得できない」

 --発災から長期間が過ぎてから亡くなり、遺族が関連死を申請したが、認められず訴訟に踏み切るケースが出ている。

 「時間が経過すれば死因に他のさまざまな要素が加わってきて、死亡と災害の因果関係の立証が困難になってくる。自殺だとなおさらだ。証拠がないと因果関係は認められない。明確な基準がない上、一部で『認定が甘い』ともされている審査で、関連死と認められなかった内容を裁判で争っても、不認定から認定にひっくり返すことは難しいのではないか」

 --関連死認定で改善が求められる点は。

 「独自の認定基準を設定している県があると聞いている。法律を変えなくても、条例をつくれば運用をあらためることができる。原発事故の被害県だからこそ原発事故に合った本県独自の統一基準と審査委員会をつくり、対応していくべきではないか。県ができないのならば、市町村が一緒になってつくればいい。例えば、関連死の多い双葉郡といわき、南相馬両市の1郡2市合同で審査委員会を設置すれば、実態に応じた判断ができる」

 【プロフィル】南相馬市小高区出身。早稲田大卒。1992(平成4)年、弁護士登録。福島地方労働審議会長、福島市顧問などを務める。

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