工場産「レタス」、新たなブランド確立へ 若松で本格出荷

 
工場産「レタス」、新たなブランド確立へ 若松で本格出荷

かつて半導体を製造していたクリーンルームで栽培されている低カリウムレタス=会津若松Akisaiやさい工場

 県内では、野菜の新たなブランド確立に向け、富士通やパナソニックなどの企業が工場を利用し、高機能野菜の栽培に着手した。

 会津若松市の富士通セミコンダクター会津若松工場内の「会津若松Akisaiやさい工場」では、天候に左右されず高品質の低カリウムレタスを栽培、雪国の会津でも1年中収穫できる。カリウム含有量が2割程度に抑えられたレタスは、透析患者や腎臓病患者など向けに出荷されている。

 衛生管理が施された約8000平方メートルのクリーンルームのうち約2000平方メートルで約10万株を栽培。無農薬で雑菌が極めて少なく、10度以下の冷蔵状態で保管すれば2週間以上鮮度も保て、洗わなくても食べられる点が特長。今年5月から本格的な出荷を始め、県内外のスーパー、病院や宿泊施設などで取り扱っている。

 富士通グループは8月1日から秋田大と新たな低カリウム野菜の開発に向けた共同研究に着手、栽培方法を研究し、実用化を目指す。また、福島医大と透析患者に対する低カリウムレタスの有用性について臨床試験を共同で行っており、研究成果を生かし、低カリウム野菜の市場開拓につなげる意向という。