広野に居住は人口の半数 「避難区域」縮小も帰還進まず

 

 本県では、第1原発周辺と、風で放射性物質が流された北西方向を中心に今も放射線量が高いままだ。10市町村で政府による避難指示が続いており、このうち第1原発がある双葉町と大熊町、第2原発がある富岡町と楢葉町、さらに浪江町、飯舘村、葛尾村の7町村では全住民が避難している。避難区域は徐々に縮小されているが、帰還はなかなか進まない。

 田村市東部の都路地区は、今年4月1日に「避難指示解除準備区域」が解除された。8月31日現在で解除地域に帰還した住民は33%の117人となっている。

 10月1日に解除される川内村の避難指示解除準備区域は、解除を見越し、4月から特例として自宅で寝泊まりすることが認められているが、滞在の届け出は9月1日現在で、275人のうち17%の48人にとどまる。

 広野町は、水道の利用状況や夜間の宿泊状況などを踏まえた独自調査の結果、人口5154人(5月末現在)のほぼ半数の約2500人が帰還したと推計している。