住民避難...ぎくしゃく 原発事故想定訓練、「時間かかった」

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 川内村で11月、東京電力福島第1原発事故後初となる原発事故を想定した住民避難訓練が行われた。住民約250人が参加した訓練では、避難準備に時間を要するなど事故後に見直した避難対策の課題も浮き彫りになった。

 県と村が主催した訓練は、原発事故を受けて政府が避難指示を出したとの想定で、村民が八つの行政区単位でバスなどに乗り込み、郡山市や田村市都路地区に設けられた避難所への避難手順を確認した。

 しかし、住民が避難用バスに乗り避難所に出発するまでの準備が思うように進まず、参加者からは「出発まで1時間以上かかった」との指摘も上がった。村のマニュアルでは、バスは住民を乗せた後、安定ヨウ素剤配布場所に立ち寄り、配布を受けた上で避難所に向かう。配布の際には住民のアレルギーの確認などを行うが、確認に想定以上の時間がかかった。また、傷病者の対応などのために、出発が遅れたバスもあったという。

 原発事故の避難は迅速さも求められることから、課題の解決のため村は、県と協議しながら避難マニュアル改定に取り組む方針だ。ただ、安定ヨウ素剤を事前に配布するなど避難のマニュアルは市町村ごとに異なっており、参加者からも「今後も継続的に訓練を行い、課題を見直していってほしい」との声も上がった。

 県「改善が必要」

 県は、今回の原子力防災住民避難訓練で浮かんだ課題や反省点を踏まえ、原発事故を想定した地域防災計画や避難計画の見直しに着手する。災害対応をめぐる実務の指針となる防災マニュアルの改良にもつなげたい意向だ。

 県は訓練で、避難が必要な緊急事態を知らせる広報の手段や、避難所までの誘導など一連の流れをマニュアルに沿って再確認した。

 一方、甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤の配布や、集合場所にいったん集まりまとまって避難する過程では想定よりも時間がかかったことから、県は「実務面の効率化に向けて改善が必要」と分析している。