【避難区域の推移】 楢葉、春以降「避難指示解除」判断へ

 
【避難区域の推移】 楢葉、春以降「避難指示解除」判断へ

 東京電力福島第1原発事故による避難区域は昨年、田村市都路地区、川内村など第1原発から20キロ圏内の旧警戒区域の避難指示解除が始まった。今年は楢葉町が春以降に住民帰還時期の判断を見込むなど、避難指示解除に向けた動きがある。

 一方で、福島第1原発がある双葉、大熊両町は大半が帰還困難区域に指定され、帰還が見通せない状況だ。両町は復興拠点の整備を目指し、国も拠点の除染に力を入れるが、時間の経過につれて住民が帰還しようとする意欲が失われていくことも指摘されている。

 政府は2012(平成24)年4月から13年8月にかけて避難区域を再編した。福島第1原発から20キロ圏の旧警戒区域を中心とした区域を年間被ばく放射線量ごとに3区域に分けた。50ミリシーベルト超は原則立ち入り禁止の「帰還困難区域」、20ミリシーベルト超は通過や一時帰宅(宿泊不可)が可能な「居住制限区域」、20ミリシーベルト以下は住むことはできないが会社や店などは開くことができる「避難指示解除準備区域」とした。

 14年から避難区域の再編は新たな段階に入り、4月に田村市都路地区で「避難指示準備区域」の避難指示を解除した。また10月には川内村の避難指示解除準備区域の指示を解除したほか、居住制限区域を避難指示準備区域に切り替えた。