常磐道、集中的除染経て工事 復興へ必要性と期待高まる

 
常磐道、集中的除染経て工事 復興へ必要性と期待高まる

浜通りを縦断する常磐道。復興加速への期待を担う

 常磐道は、震災、原発事故前は2011(平成23)年度に常磐富岡−相馬インターチェンジ(IC)間、14年度に相馬以北の開通を予定していたが、状況が一変した。原発事故に伴う避難区域となったり、通過市町村が津波に襲われるなどで開通に向けた工事は中断を余儀なくされた。一方で国道6号は地震で激しく損壊。復旧工事などの交通需要も増大し、常磐道全線開通の必要性と期待がさらに高まった。

 政府や常磐道を管理する東日本高速道路(ネクスコ東日本)は予定通りの開通を断念し、再開できる区間から工事に着手、開通させる方針に転換した。舗装に加え、舗装済み部分のひび割れや崩落した斜面の補修を急ぎ、12年4月に南相馬−相馬IC間、昨年12月に浪江−南相馬IC間と相馬−山元IC間を開通させた。昨年2月には震災後通行止めとなっていた広野−常磐富岡IC間も再開通させた。

 最後の開通区間となった常磐富岡−浪江IC間は原発事故による帰還困難区域が14キロ中8キロを占めることから集中的な除染を経て13年4月から工事を再開した。