「毎時19マイクロシーベルト超」地域、放射線量が大幅縮小

 

 原子力規制委員会が2月に公表した東京電力福島第1原発から80キロ圏の放射線量分布マップ(昨年9月時点)では、年間被ばく線量に換算して100ミリシーベルトに相当する「毎時19マイクロシーベルト超」の地域が原発事故直後に比べ大幅に縮小したことが示された。規制委の分析では、放射性物質が安定した物質に変化して放射線を出さなくなる半減期に伴う減少と風雨により洗い流されることが要因としている。

 19マイクロシーベルト超の地域は、事故から約1カ月後(2011年4月下旬)で第1原発の北西30キロより遠くまで広がっていたが、約3年半後の昨年9月時点では20キロ圏内に収まった。原発からおおむね200キロ圏の9県にまたがるエリアでも線量を測定。0.2マイクロシーベルトを超える地域の面積が全体の14.5%と、12年6月時点に比べて半減した。

 規制委は昨年9月から11月にかけ、高度300メートルを飛ぶヘリコプターに搭載した検出器で放射線を測定し、地上1メートルの空間線量に換算した。