【私が描く「未来」・斎藤華奈さん】 "会津は元気"伝えたい

 

 「会津は危ないという風評被害が悔しかった。安全で元気な本当の会津を知ってほしい」。テクノアカデミー会津観光プロデュース学科の1年生で、おもてなしの心や観光復興に向けた誘客アイデアを学ぶ。

 喜多方二中の卒業式を終え、帰宅後に震災が発生した。その年、観光客が激減してにぎわいが失われた蔵の町並みを目の当たりにした。「目に見える被害はないのに」。原発事故の風評被害に悔しい思いをかみしめた。

 進学した喜多方桐桜高の地域産業を学ぶエリアマネジメント科では、街の声を聞き、地域を知って、観光に携わる希望が強まった。

 アカデミーでは、地元イベントを支える機会が多くなった。昨年、ボランティアで着ぐるみの中に入り、その後、小さな女の子から「遊んでくれてありがとう」と手紙が届いた。「きちんと声が届くことが素晴らしい」と、もてなす側の喜びを実感した。

 今年は就職を決める年。「観光の現場で、お客さんの話を聞く仕事がしたい」と話す。4月には自分たち学生が練った喜多方案内プランで観光客をもてなす。「お客さんに直接、会津が元気だと伝えられることが楽しみ」と意気込み、観光復興に臨む地元を後押しする。