住民救った殉職警官2人 津波被災、双葉署・パトカー保存

 
住民救った殉職警官2人 津波被災、双葉署・パトカー保存

「震災遺構」として保存作業が行われている県警のパトカー

 富岡町は、東日本大震災の津波で被災した県警のパトカーを、町の「震災遺構」として保存する作業を進めている。パトカーには当時、双葉署員2人が乗り込み、住民の避難誘導に当たっていたが、激流にのみ込まれ2人とも殉職。町は車を保存することで多くの町民の命を救った2人の功績を後世に伝える。

 パトカーは廃棄されることが決まっていたが、町民有志が保存を訴え、町と同署に陳情書を提出した。町は、県立博物館などでつくる「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」の協力で保存作業に着手。富岡町仏浜地区から運び出した車に、さびを防ぐ処置などを行っており、町内の岡内東児童公園に展示する計画だ。町民有志代表の藤田大さん(45)は「命を懸けて町民を救った警察官がいたことを残さなければいけない」と言葉に力を込めた。

 町はパトカー以外にも、流失したJR富岡駅の改札口などの保存も進めている。