解除の動き「自立模索」 復旧から復興・創生、避難者数減少傾向

 

 東京電力福島第1原発事故から5年を迎える本県は2016(平成28)年度からの5年間、復旧から被災地の自立に力点を置く復興・創生期間に入る。政府は「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」を17年3月までに解除する方針で、住民の帰還を目指し避難指示解除の動きが本格化する。

 震災と原発事故に伴う県内外の避難者数は、記録が残る中では12年5月の16万4865人をピークに、その後は減少傾向が続いている。
 今年1月8日付の被害状況速報では、県内への避難者が5万6463人、県外への避難者が4万3497人、避難先不明者が31人で計9万9991人となり、震災後初めて10万人を下回った。

 しかし県が公表する避難者は、災害救助法に基づき仮設住宅や借り上げ住宅に避難する人らが対象で、復興公営住宅に転居し古里の避難指示解除を待つ人らは避難が解消されたとみなされるため、避難の実態が厳密に反映されているとは言い難い。また震災直後は仮設住宅が建設されておらず、親戚宅などにいたことから避難者数を正確に把握できていなかった。