用地交渉は難航 「中間貯蔵」10月着工方針、問われる国の責任

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県内の除染で出た汚染土が運び込まれた中間貯蔵施設の保管場(手前)。工業団地内に汚染土を覆う緑色のシートが見える。後ろは廃炉作業が続く東京電力福島第1原発で、周辺一帯が中間貯蔵施設となる予定=2月27日、大熊町

 県内の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設について、環境省は早ければ今年10月、本体工事の一部に着手する方針を2月に表明、県土の環境再生へ整備を急ぐ姿勢を示した。工事の着手は用地確保が前提となるが、施設の用地交渉は依然として難航しており、交渉の加速が求められている。

 環境省が整備を急ぐ背景には、市町村除染だけでも仮置き場が900カ所、現場保管は約11万3600カ所(いずれも昨年9月現在)に上り、山積みにされた除染廃棄物が住民帰還などを妨げている現状がある。同省は昨年3月から施設の保管場への試験輸送を始めたが、約1年で搬入したのは3万7000立方メートル(2月17日現在)で、最大2200万立方メートル分と試算される全体量の1%に満たない。

 環境省は新年度から段階的に本格輸送を開始する方針だが、鍵を握るのは用地取得に向けた交渉だ。施設は大熊、双葉両町の面積の1割超となる1600ヘクタールに整備される国家的な巨大プロジェクトにもかかわらず、用地取得は2月12日現在、15ヘクタールにとどまる。地権者2365人のうち、契約者は同日現在50人で、連絡のつかない地権者も多数いる。県は新年度から職員10人を同省に派遣し、交渉加速を促す方針だ。早期の環境回復を望む県民の思いに応えられるか、国の責任が問われている。

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