消えぬ「水」への不安 楢葉町帰還の課題、議論は平行線

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消えぬ「水」への不安 楢葉町帰還の課題、議論は平行線

 全町避難からの帰還に向けて、6日に長期宿泊が始まった楢葉町だが、暮らしの中で最も重要な「水」に対する町民の不安が根強く、いかに払拭(ふっしょく)できるか関係者は頭を痛める。すでに長期宿泊を経て避難指示が解除された田村市都路地区、川内村の一部では産業の継続に向けた課題などが残る。また、常磐道の全線開通などの基盤整備が進んでいる一方、原発の汚染水対策が一進一退を続けており、住民の帰還意識に影響している。

 「かなり重層的に安全対策が取られている」。政府の原子力災害現地対策本部長の高木陽介経済産業副大臣は今月3日、楢葉町の双葉地方水道企業団小山浄水場を視察した後、報道陣を前に"水"の安全性を強調した。3日後の6日に同町で避難指示解除に向けた長期宿泊が始まるのを前に、町民の不安解消に苦心する政府側の現状が垣間見えた。

 同町では避難指示の解除に向けて、住民から木戸ダムを水源とする町の飲料水の安全性について不安の声が上がっている。先月25日にいわき市で開いた同町行政区長会議でも複数の行政区長から飲料水への不安の声、安全対策についての質問が相次いだ。政府側の担当者はこれまでに講じた安全対策、データなどを説明したが、議論は平行線をたどった。

 同浄水場では、長期宿泊を前に、放射性物質の24時間の連続モニタリング機器が導入されるなど、安全な水の供給に向けた科学的な監視体制が強化されたが、町民の安心につながっていない部分もある。

 3日の視察後、高木副大臣は「(飲料水について)科学的な安全と安心との間にまだギャップがある。国、県、町が一体となって丁寧に埋めていきたい」とも語った。

 長期宿泊への町民の参加増、その先に見据える避難指示解除に向けて、町民に水の安全性をどのように伝えるのかが問われている。