「風評・風化」対策に全力 販売・誘客PR、県が強化戦略へ

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「風評・風化」対策に全力 販売・誘客PR、県が強化戦略へ

風評払拭に向け県産品の魅力をPRする内堀知事(中央)ら=1月、東京

 県は本年度、全庁を挙げて風評・風化対策を強化するため、司令塔となる新ポスト「風評・風化対策監」を設けるとともに、部局横断で効果的な取り組みを話し合うプロジェクトチーム(PT)も立ち上げた。今月中にも風評・風化対策の強化戦略を定め、一体的な情報発信につなげる方針。

 戦略には、風評払拭(ふっしょく)と風化防止に向けた統一の指針や行動計画を盛り込む見込み。これまでは県庁内でも個別の分野ごとに活動を続けてきたが、それを一つに束ねることで情報の発信力を高める狙いがある。例えば、県産品の販売と観光誘客を組み合わせたPR活動などが想定される。

 主な取り組みとして北海道、東京、東海、大阪、九州、県内の6カ所で内堀雅雄知事と地元関係者によるサミットを開き、復興に向かう本県の姿を伝える。海外では、イギリスの大学で内堀知事の講演を予定し、国際社会に復興の進み具合や直面する課題を訴え、継続した支援を呼び掛ける。夏秋野菜、モモなどの果物、コメの出荷時期に合わせ、トップセールスやメディアを活用した情報発信も重点的に展開する。

 関係部局の課長でつくるPTは、風評被害が根強い農林水産業や観光業、教育旅行など幅広い分野であらためて課題を洗い出し、解決策を検討して戦略に反映させる。座長の野地誠風評・風化対策監は「県と国、市町村、企業、各種団体とのつながりをつくり、本県の現状を発信できるチャンスを増やすことで、より多くの人たちに正確な情報を伝えたい」と意欲を見せる。

 観光産業回復徐々に 「ふくしまDC」追い風 

 原発事故による風評で大きな打撃を受けた業種の一つが観光産業だ。2011(平成23)年の本県への観光客数は約3500万人で、前年比約2200万人減と急落した。しかし、13年の大河ドラマ「八重の桜」や現在展開中の大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」などが追い風となり、勢いを取り戻しつつある。

 郡山市の磐梯熱海温泉旅館協同組合によると、DC開幕からまだ1カ月だが、大型連休の効果もあり観光客は増加傾向という。同組合の菅野豊理事長(67)は「県外からの観光客が6、7割を占めている。観光客が震災以降から確実に増えている実感がある」と手応えを口にする。ただ、DC終了後もリピーターを獲得できるかどうかは大きな課題。イメージが左右する観光産業において、東京電力福島第1原発でトラブルなどがあれば、再び客足が遠のく恐れもある。菅野理事長は「磐梯熱海温泉は三春町や会津などの中間に位置しており、駅も近い」と交通の便の良さをアピール。歴史や桜など多くの観光資源を持つ本県観光の拠点としてのイメージをPRする考えだ。