【南相馬・小高区】 「夜間が心配」 パトロールで治安維持

 
【南相馬・小高区】 「夜間が心配」 パトロールで治安維持

 東京電力福島第1原発20キロ圏内の南相馬市小高区では、31日に始まった準備宿泊に約1000人が登録している。しかし原発事故前の住民1万2842人の1割にも満たない。

 小高区の加藤幹子さん(63)は「小高にはいろいろな人が出入りしている。特例宿泊や長期宿泊などで近所の人が戻ってきているとはいえ、不審者がいないか不安にはなる」と話す。

 小高区は日中、自宅を片付ける住民に加え、地震や津波被害の復旧作業、除染に従事する作業員の姿があったり、国道6号を車両などが行き来している。県外ナンバーの車も少なくない。小高区役所の担当者は「夜間一人で自宅にいると不安を感じたという住民の声もある」と話す。

 南相馬署によると、同市小高区での刑法犯の年間の件数は、2010(平成22)年は77件だったのに対し、11年は97件だった。避難指示が出され、窃盗などが増加したとみている。年々減少し、今年は7月末現在16件となっている。しかし、犯罪は減っても帰還が始まれば、今後は高齢者の孤独死が懸念され、課題は次々と降りかかってくる。