岐路に立つ「学び」 生徒数の減少止まらず、先行き不透明

 
岐路に立つ「学び」 生徒数の減少止まらず、先行き不透明

 本県復興を担う人材の育成を目指した「ふたば未来学園高」が広野町に開校してから約半年がたつ。独自の教育が行われ、生徒は胸を躍らせ高校生活を送る。一方で、同校の開校に伴い双葉郡内の五つの高校・分校が本年度、生徒募集を停止。現在の2、3年生は新入生がいない中、仮校舎で勉学や部活動に励む。全町避難を続ける町村の小、中学校では児童、生徒数の減少が止まらず先行きが不透明だ。学校を維持するためにも教育環境を高める取り組みが求められている。

 「生徒減」歯止めかからず 

 原発事故の避難区域となった双葉郡内の小、中学校は震災、原発事故から4年半を迎える現在、児童、生徒数の減少に歯止めがかからない。

 県教委によると、郡内8町村の児童、生徒数は震災後、大幅に減り、その後も減少傾向が続いている。震災前、1162人いた浪江町の小学校の児童数は5月1日現在で14人、937人いた富岡町の小学校の児童数は16人となった。昨年同時期と比べると、浪江が8人、富岡が7人減っている。

 町内で小、中学校を再開している広野町と、2014(平成26)年度に避難先で小、中学校を再開したばかりの双葉町を除き、減少傾向が鮮明で、特に大熊町は昨年同期比で大野、熊町両小の児童数が60人減の68人、大熊中の生徒数が25人減の43人と減少幅が大きい。

 郡内の町村では地元で学校を再開できない状況も続き、小、中学校28校のうち、地元で再開したのは広野町の2校と川内村の2校の計4校にとどまる。浪江町の6校はいまだ臨時休校を余儀なくされ、そのほかは避難先で授業を続けている。