「労働環境、格段に改善された」 原発作業員の34歳男性語る

 
「労働環境が格段に改善された」と語る原発作業員の男性

 「震災直後と比べイチエフ(東京電力福島第1原発)は大きく変わった」。協力会社社員として同原発で震災前から勤務する南相馬市出身の男性(34)は、劣悪だった労働環境が格段に改善されたと強調する。

 男性は作業員のサポート業務を担当しており、震災後はいったん避難したがすぐ勤務に戻った。高い放射線量の下、熱中症対策がなく、休憩場所もままならない騒然とした現場だったという。

 それが今では、放射線被ばくが低減し、構内各地に休憩所が整備され、食事が取れる大型休憩所も建設された。

 一方で「改善はされたが『震災直後』に比べればの話。まだまだ十分ではない」と指摘する。さらなる放射線被ばくの低減化、防護服や全面マスク装着時の身体的負担の軽減などが必要であると訴えた。

 特にここ1年で作業員数が急増しており、休憩所が混み合って十分な休息を取れない作業員も多いといい、「構内に休憩所をもっと増やすべき」と提案した。「働きやすい環境にはほど遠い労働環境だが、早期の廃炉、古里復興のため作業を続けたい」と語った。