避難市町村...変わる教育 子ども減少傾向「小規模の良さ出す」

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 新しい年度に入り、避難区域の市町村の小、中学校でも新入学児童、生徒が新しい生活をスタートさせた。ただ、震災以前からの少子化も拍車を掛け、避難が続く市町村の小、中学校に通う子どもの数は減少傾向にある。各市町村や学校は、教育環境を維持する難しさに直面している。

 県教委によると、2010(平成22)年度、双葉郡8町村では17小学校4121人、11中学校2322人の計6443人が在籍していた。各町村は避難先などで学校を再開させたが、8町村全体の児童生徒数は、小学校が300~400人程度、中学校が200~300人程度で推移し、今年4月5日現在の児童生徒数は計561人となっている。

 長距離のバス通学や、1クラス10人にも満たない人数での学校生活など震災と原発事故前にはなかった課題が教育環境に影響を与えている。

 双葉地区教育長会長の武内敏英大熊町教育長は「広野町、川内村などは地に足が着いている」と児童生徒数が回復する印象を持っている一方、大熊町などでは「小規模校の良さを出す方向に切り替えないといけない」と、子どもの数の回復は難しい現状を吐露する。今後、小、中学校の統廃合の議論になる可能性もあるが、現段階では少人数の教育をどのように充実させるかが直面する課題だ。

 双葉郡では各学校に定員以上の教員を配置し、手厚い教育ができる環境を整備するほか、スクールカウンセラーを置いて、環境変化に伴う心のケアを進めている。19年4月にはふたば未来学園高の併設型中学校が開校予定。開校後も、郡内の各町村立学校と連携した教育が進められる。武内教育長は「震災から5年が経過し、避難先での生活や家庭の事情があり、子どもの数の減少は避けられない。レベルが高い教育を双葉地区で受けられるということを強調していくしかない」と話す。

 浪江中生17人「古里」を学ぶ

 浪江町は、役場機能を置く二本松市に廃校を活用した浪江・津島両小と浪江中を設け、授業を続けている。計画的な避難ができず、町民が全国各地に散らばってしまったという特殊事情もあり、いずれも少人数での授業となっている。

 旧針道小校舎を活用する浪江中は、現在の生徒数が1年生3人、2年生4人、3年生10人の計17人。震災前は398人の生徒がおり、浪江東中と津島中を加えると、町内に611人の生徒がいた。町は来春の帰町開始を目指す中で同町幾世橋の浪江東中を改修し、帰還した小、中学生が一緒に学ぶ学校とすることを決めているが、除染やインフラ整備の遅れから帰町そのものが正式には決まっておらず、先行きに不透明さが残る。

 浪江中の生徒はスクールバスなどで学校に通っており、部活動は15人が所属するバドミントン部と2人が所属する芸術部のみ。制約もあるが、笠井淳一校長は「少人数できめ細かい指導ができる。今は通っている子どもたちのために全力で指導することが先決」と話す。

 双葉郡の学校は、総合的な学習の時間に「ふるさと創造学」を取り入れている。まずは古里を知り、古里への愛着を持つための授業を展開している。