福島医大医療人育成・支援センター・大谷晃司教授に聞く

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
「県全体で医師を育てる意識が必要」と話す大谷教授

 医学生は卒業後2年間、各地の臨床研修病院での研修が義務付けられている。医師不足の解消を目指し、県内病院や福島医大、県は研修医の招聘(しょうへい)・確保に力を入れている。同大医療人育成・支援センターの大谷晃司教授(51)に今後必要な取り組みなどを聞いた。

 研修医が集まる環境に

 ―過去に入学定員を増やしたことで、福島医大の卒業生は今後増える予定だ。県内研修医の増加も見込めるのか。
 「入学定員が増えたことによって増えた入学生は、県内の高校の出身者ではなく県外出身の学生だ。そもそも福島医大生は県外出身者の割合が高い。本県出身者に福島の医療を全て担ってもらうという考え方には無理があり、出身地に限らず県内医療への関心を高めてもらう取り組みが必要だ。重要なのは、研修内容を魅力あるものに高める努力だ。医大や県内病院は今後専門医制度が変わることでより専門的な教育も求められることになる。各病院と切磋琢磨(せっさたくま)しながら外から人を呼び込んでいきたい」

 ―震災、原発事故直後、県内の研修医は減った。
 「震災、原発事故直後に大きく減ったが、今は右肩上がり。震災、原発事故から3年で影響はなくなったと見ている。ただ、県内の医師数はそれ以前から減っており、今直面している問題の根本には、もともと本県が抱えていた医師不足の問題がある」

 ―医師の地元定着のため求められることは。
 「医学生のうちから県内医療に理解を深めてもらうための取り組みが必要だ。学生のうちに県内の病院を訪れる機会を増やしているので、各病院で医学生の教育に積極的に関わってほしい。地域のみんなで研修医、医大生の教育に何らかの形で関わり、『福島で勉強するといい医師になれる』という雰囲気が醸成されてくれば、おのずと医師は集まってくる。これは患者側にも求められる意識だ。都会では『研修医には診てもらいたくない』と露骨に言うそうだが、福島で患者が『いいお医者さんになってください』と研修医を育てる雰囲気が広まれば、状況は全然変わってくる」