Q:どこを復興拠点にするか A:自治体が整備計画、国が認定

 

 政府は東京電力福島第1原発事故による本県の「帰還困難区域」について将来の避難指示解除を目指す新たな対策を打ち出しました。

  政府はどのように解除を目指すのですか。
  区域内に将来の住民居住を目指すエリアとして「復興拠点」を新たに設定して、除染と道路や上下水道などのインフラ整備を一体的に進める計画です。ここには第1原発の廃炉に従事する従業員も住みます。政府は今回、将来的に帰還困難区域の全ての避難指示解除を目指し取り組みを進める決意を示しました。

  どこを復興拠点にするかは、どう決めるのですか。
  7市町村が県と協議して整備計画を作ります。国はそれを認定するとともに、必要な法整備や予算措置を行います。各市町村の状況ですが、富岡町は住宅街があり人口が多い「夜の森地区」、双葉町はJR双葉駅周辺が候補として挙がっています。
 一方、飯舘村や葛尾村の場合、帰還困難区域になっている場所が村の中心部から離れており、そこに復興拠点をつくってどうするのか、といった戸惑いの声が早くも上がっています。

  スケジュールは。
  政府は2017年度中に復興拠点の設定を目指しています。その後、除染やインフラ整備を進め、線量の低下状況をみて5年後の22年度中をめどに復興拠点の避難指示を解除する計画です。

  課題は。
  復興拠点ができるまで5年となっていますが、住民の中には県外の避難先での暮らしが定着した人も多く、どのくらいの人が帰還するか、見通せません。また区域の中でも「内と外」の新たな線引きができ、住民の分断や混乱が起きるのではないかと不安視する向きもあります。