適切な賠償...どこに 東京電力「事故が要因と確認できない場合も」

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 来年1月以降の農林業の営業損害賠償を巡り、東電は9月、損失(年間逸失利益)の2年分を一括賠償し、2019(平成31)年以降は損害の状況に応じた個別対応とする素案を示した。「2年一括」は昨年から始まった商工業の営業損害賠償と同じ考え方だが、商工業者への賠償では逸失利益の1年分相当で合意するケースもあり、関係者からは「適切な賠償を」との声が上がる。

 支払額累計は6兆1900億円

 東京電力による賠償の支払額の累計は5月時点で約6兆1900億円に上る。大手電力会社で構成する電気事業連合会は、東京電力福島第1原発事故に伴う賠償と除染費用の試算をまとめており、賠償については8兆円としている。

 商工業者への営業損害賠償を巡り、「2年分」が認められないケースがあることについて東電は「原発事故との因果関係を確認するのが困難な場合もある」としている。賠償の基本的な考え方は「2年一括」か「賠償なし」だが、「1年分」を提示していることについては「事業者の主張を個別に伺った結果、一定額を最大限、支払っている状況」と説明するが1年分となる基準が公表されているわけではない。

 商工業関係者からは「2年一括」に移行後、原発事故との因果関係を立証することが厳格化されたという指摘がある。東電は「震災直後は迅速な賠償が求められていた。事故から5年が経過し、事故が要因と確認できない場合もある」としている。

 【「原発事故と減収分」因果関係が確認できる例】
▼「避難指示区域」に商圏が存在し、法令・認可などの制限で他の地域での新規顧客の開拓などが制限される
▼本県にある観光業者のうち主に県外から来訪する観光客を対象として事業を営んでいる
▼主に「本県産」が明示された、または本県産品であることが広く認知された食料品を扱い、他の産品に切り替えることが困難
▼風評被害を受けた第1次被害者と密接な関係があり、取引商品・サービスを他の事業者へ提供することが困難
▼主に小学生以下の子どもを対象とした事業を営み、他の年齢層への販売・サービス提供自体も困難
(※上記以外についても、損害が継続している事情を聴き適切に対応する)